メディケアコラム

「間違った食事療法」こそダイエットが挫折する原因

ダイエットの王道は、食事療法と運動療法です。

まず、食事制限をして摂取カロリーを抑え、次に運動療法で消費カロリーを増やす。
誰もが認める正しいダイエット法でしょう。
食事療法も、運動療法も、誰でも入っていきやすく、短期間であれば続けられるし、
頑張れるでしょう。ですが、私たちの元へやってくる方々のお話を伺うと、たいてい一月半、
45日くらいで挫折しています。

食事量を極端に抑えたダイエットは、最初のうちはどんどんやせるけれど、体重が思う
ように減らなくなると、嫌になってやめてしまう。食事制限中のつもりがつい、「一口だ
けなら」とケーキに手を伸ばす。運動はもともと好きではないので、続かない……。
「食べてはいけない」と思うことが、ストレスになり、かえって食べてしまう。
間違った食事療法は、逆効果を生む場合もあるのです。

運動療法で体重を減らすことは無理があると思っています。私たちの元へ相談に来られ
る方を見ているとつくづく実感するのですが、そもそも太っている方の場合、運動が苦手
という人が多いのです。嫌いなことを無理にやることはストレスにつながります。
同時に、太っているときには、運動をすること自体、無謀だと思います。標準体重より
も10キロオーバーしている人は、10キロの荷物を背負って運動していることになります。
腰や膝への負担はかなり大きくなります。ですから、基本的には太っているときに運動を
するのは反対です。

もちろん、運動して体重を減らすこと自体を頭から否定しているわけではありません。
有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、水泳など)は、体脂肪を効果的に燃やし
ます。筋力トレーニングで、筋肉を増やすと基礎代謝を高めることができます。
運動にはそれなりに良さがあるのです。もし、できるのであれば、やればいいと思います。
ただ、運動して消費するエネルギーというのは、それほど大きなものではなく、大変な割に
肥満解消には結びつきにくいものです。

ちょっと極端ですが、体脂肪1キロを減らすには、ウォーキングを
35時間も続けなければならないのです。
毎日の忙しい生活の中では、たとえ一日に
30分歩くと決めても、毎日続けるには、強い意志が必要です。
何よりも私たちが心配するのは、「やらなければならない」という義務感が強迫観念に
変わり、運動することがストレスに変わってしまうことです。
もちろん、楽しくやってストレスを発散するのであれば、大いに運動はやったほうがい
いのですが、ストレスになるのなら、しないほうがいいのです。
太っている人がやるべきことは、他にもあるのです。


※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
 (2014年)をWebにて転載したものです。


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