メディケアコラム

【プロ監修】ウォーキングダイエットの方法と効果、注意点を解説。正しい姿勢と歩き方、週あたりの回数は?

「最近、運動不足だな……」と感じることはないでしょうか。特に社会人の方だと、仕事の合間を縫ってジムに通ったり、スポーツを始めたりするのは難しいもの。そうして日々の仕事に追われているうちに、運動不足や食生活の乱れから太ってしまった、というケースは後を絶ちません。
 
そんな方におすすめなのがウォーキング。基本的には“歩くだけ”なのでお手軽に始められるほか、30分程度の短時間でも取り組めます。今回は、ウォーキングダイエットの方法と効果、注意点を紹介します。
 

1. 脂肪燃焼に基礎代謝の向上も。ウォーキングのダイエット効果

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最近では、ウォーキングがダイエットに効果的なのは広く認知されています。しかし、「歩くだけで本当に痩せるの?」と疑問に思う人もいますよね。まずはウォーキングダイエットの効果を見ていきましょう。
 

1-1. 有酸素運動による脂肪燃焼効果

歩くことは有酸素運動の一つです。そして、有酸素運動を20分ほど継続すると、脂肪の燃焼が活発になると言われています。
 
そもそも人間の体は、大きく分けて糖質と脂肪をエネルギーに変換します。そして、有酸素運動は無酸素運動と比較すると、より脂肪を消費する割合が高くなるのです。有酸素運動を始めると、まずは血中の糖質、次に肝臓と筋肉の糖質、20分ほど経過したあたりから脂肪の使用が活発になります。
 
もちろん、正確にはそれまでも脂肪は使われているため、20分未満の運動でも効果はあります。しかし、20分以上継続して燃焼効率を高めることで、よりダイエット効果を期待できるのです。
 
また、有酸素運動は他にもダイエット効果をもたらします。たとえば、基礎代謝の向上、血中コレステロールの減少、不安や抑うつ感の軽減など。特にストレスはダイエットを続ける上での大敵なので、無理のない運動や食事によって日頃から対処していきましょう。
 

1-2. 血液循環の促進

ただし、ウォーキングの消費カロリーは決して多くありません。効果を実感できるまでは時間が必要なため、結果を早く求める人には向かないでしょう。とはいえ、リバウンドしない体を作るためには、目の前の体重を落とすことよりも、悪い生活習慣や運動不足を改善する方が大切です。
 

その意味でウォーキングには、健康上のさまざまなメリットがあります。その代表格とも呼べるのが、全身の血行促進です。
 
人間の体内では、心臓から血液が全身に送られますが、逆に古い血液は静脈を通って心臓へと向かいます。そして、心臓から最も遠い足は、重力に逆らいながら血液を運搬するため、足裏の刺激はポンプのような役割を果たすのです。これにより全身の血行が良くなることから、「足は第二の心臓」とも言われています。
 
血液の巡りが良くなると、基礎代謝の向上に繋がります。基礎代謝とは、呼吸や体温調節、内臓の活動など、生活しているだけでも消費されるエネルギーのこと。1日の消費カロリーの6〜7割を占めるとも言われているため、これを高めると肥満解消、中性脂肪の減少などを期待できます。
 

2. 正しい姿勢を身につけよう。ウォーキングダイエットの方法

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さて、ここからはウォーキングダイエットの方法を解説します。最も大事なのは姿勢。以下を参考に、ダイエット効果を高める正しい歩き方を身につけてください。
 

2-1. ウォーキングの正しい姿勢

それでは、基本となる姿勢から見ていきましょう。正しい姿勢とは、横から見たときに耳・肩・腰・くるぶしのラインが一直線になっている状態。さらに、足を肩幅に開いて顎を引き、おへそを地面と平行になるように正面へと向けてください。これにより背筋がスッと伸び、猫背ではない堂々とした姿勢になります。
 
確認しづらい場合は、壁に後頭部・肩甲骨・お尻・かかとをつけて立ってみてください。腰と壁の隙間に手を入れてみて、ちょうど手のひらが綺麗に差し込めるサイズの幅なら、正しい姿勢である証です。
 

2-2. 歩行時の下半身の動かし方

足の運び方のポイントは、当然ながら内股・ガニ股にならないようにすること。また、つま先ではなくかかとから着地しましょう。すると、足の裏全体で地面を踏み締めることができるため、お尻から太もも裏のハムストリングをしっかりと使えます。地面を蹴るときは、後ろ足の膝は曲げず、ピンと一直線に保つことも大切です。
 

2-3. 歩行時の上半身の動かし方

正しくウォーキングするためには、上半身の動きも重要です。ひじを90度に曲げ、腕は大きく振ってください。これにより上腕三頭筋も鍛えられ、本来なら落ちづらい二の腕の裏の脂肪もダイエットできます。
 
腕を振るときは、前ではなく後ろに引くようなイメージで、肩甲骨をしっかりと動かしましょう。すると、肩甲骨と対角線上にある脚も自然と前に運ばれるため、リズムよく歩けます。さらにはお腹回りの筋肉(腹直筋、外腹斜筋)も捻られることで、シェイプアップも期待できるのです。
 

2-4. 歩くときのスピード

ウォーキングと散歩は違います。歩くときにはスピードも意識できるとベストです。早くなればなるほど、消費カロリーも大きくなります。
 
ただし、感覚としては「普段よりやや早め」に抑えましょう。たとえるなら、隣を誰かと歩いていても会話できる程度の速さですね。あまり飛ばしすぎては息も上がり、「お手軽だから継続できる」というウォーキングのメリットも半減してしまいます。
 

3. ウォーキングの時間と回数、効果を得られるまでの期間は?

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さて、正しい歩き方はわかりましたが、これを一体どれくらいの時間と頻度で実践したら良いのでしょうか。
 
まずは時間ですが、先ほども話した通り、ウォーキングは有酸素運動です。そして、有酸素運動が脂肪を燃やすゴールデンタイムに入るのは、運動開始から約20分後。そのため、1回あたりのウォーキングで30分を継続しましょう。これを週2〜3回以上を目安に行ってください。
 
また、ウォーキングは免疫力の向上、心肺機能の強化といった恩恵も受けられる反面、ダイエット効果はすぐには現れません。消費カロリーが多くないからです。個人差はあるものの、効果を実感できるまでは3ヶ月ほどかかると言われているため、楽しく長続きさせることが大切ですよ。
 

4. 万歩計アプリなどを使うのもおすすめ

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最近では、スマホアプリを駆使してウォーキングするのも当たり前になりました。歩数をカウントする万歩計アプリはもちろんのこと、歩いた距離や消費カロリーを算出し、カレンダーやグラフとして管理してくれるアプリも存在します。無料でダウンロードできるものも多いので、ぜひ取り入れてみては?
 

5. お手軽でも油断は禁物。ウォーキングダイエットの注意点

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なお、ウォーキングはすぐにでも始められるお手軽な運動ですが、注意点もあります。油断していると思わぬアクシデントに見舞われるケースも。
 

5-1. 水分補給を忘れずに

何より忘れてならないのは水分補給です。汗をかく実感の少ないウォーキングは、知らないうちに想像以上の発汗をしているもの。こまめに水分補給することで、水分不足の改善のみならず、熱中症などの防止にも繋がります。
 

5-2. 専用のシューズを用意する

これからウォーキングを始める人は、専用シューズの購入も検討してみてはいかがでしょうか。もちろん必需品ではありませんが、通常のスニーカーとは明らかに違うクッション性と軽さは、足や膝への負担も軽減してくれるはず。長く続ける前提のウォーキングだからこそ、一足持っていると心強いですよ。
 

5-3. 夏には紫外線対策も

また、美容のためにダイエットへと励む女性にとって、夏の紫外線は天敵。せっかくスラリとした肉体を手に入れても、日焼けやシミ、シワに悩まされてしまっては仕方ありません。肌に合った日焼け止めクリーム、帽子、日傘、サングラスなどの対策をお忘れなく。
 

6. 大事なのは習慣化。ウォーキングを積極的に楽しもう

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さて、今回はウォーキングダイエットについて紹介しましたが、大事なのは習慣化すること。せっかちに効果を求める方法ではないからこそ、気負わずに続けるのがポイントです。
 
そのためには、積極的にウォーキングを楽しみましょう。四季折々の景色を見つけたり、清々しい朝の空気を肺いっぱいに吸い込んでみたり……。日々をせわしなく過ごす皆さんにとって、それは心洗われるフレッシュな時間になるはずです。

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