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【薬剤師監修】ダイエットに有効な成分「L-カルニチン」とは? 4つの効果と摂取方法、 注意点を解説

皆さんは、「L-カルニチン」というダイエットに有効な成分をご存知でしょうか。L-カルニチンとは、脂質をエネルギーに変換するのをサポートしてくれる化学物質。最近では、L-カルニチンの多く含まれる食べ物やサプリメントを摂取する「カルニチンダイエット」も注目を集めています。
 
今回は、当院の薬剤師監修のもと、カルニチンダイエットの効果と方法、注意点を紹介します。
 

カルニチンの効果は? ダイエットから健康、運動のサポートまで幅広く

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L-カルニチンはダイエットだけでなく、筋力増強や病気の予防、脳機能の向上など、さまざまな効果を持つ成分です。まずはL-カルニチンの効果とその仕組みを解説します。
 

1. ダイエット効果

さて、脂質をエネルギーに変換する「L-カルニチン」ですが、一体どんな仕組みなのでしょうか。そもそも脂質の代謝(エネルギーへの変換)は、細胞内の「ミトコンドリア」にて行われます。「ミトコンドリア」とは、体の動力源となるエネルギーを生成する細胞内小器官です。
 
しかし、実は脂質だけではミトコンドリアの膜を通過できません。ミトコンドリアに送り込むためには、体内の脂質を脂肪酸に分解し、さらにはL-カルニチンと結合させる必要があります。つまり、L-カルニチンが不足すると、エネルギーに変換できる脂質の量も比例して減少するのです。脂質をしっかりと代謝させるためには、L-カルニチンの摂取は欠かせません。
 
また、日本人は欧米人と比べると、カルニチンの多く含まれる羊肉や牛肉、あさりなどを食べる機会が少ないです。そのため、カルニチンダイエットによる早期の効果も見込みやすいと言われています。
 

2. 健康効果

L-カルニチンは健康にも良い作用をもたらします。たとえば、L-カルニチンは心臓の筋肉に多く蓄えられるため、心臓の健康を保つのに有効。今でこそサプリメントとして認可されましたが、もともとは心疾患や肝硬変などの治療にも使用されてきました。
 
脂質を正常に消費することは、脂質異常症やメタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも不可欠です。また、ひとたび肥満になると高血圧、糖尿病、脂肪肝、関節痛などの病気・体調不良を引き起こしかねません。
 
ダイエットの目的は単に痩せるだけではなく、健康な身体機能を取り戻すこと。L-カルニチンの摂取は、そのサイクル作りを手助けする手段の一つと言えるでしょう。
 

3. 筋力トレーニングや運動のサポート

L-カルニチンのサプリメントは、筋トレや運動のサポートにも使われています。実は脂肪酸から作られるエネルギーは、糖質から作られる短時間のエネルギーと異なり、持続的に使用される特徴があるのです。これにより運動時のスタミナを高めたり、疲労回復を早めたりできます。
 
つまり、運動の時間を延ばせるということ。より脂肪を消費できるほか、トレーニングの成果を早く出したいときにも心強い味方になります。いまやL-カルニチンのサプリメントは、世界中のスポーツ選手にも重宝されているそうです。
 

4. 脳機能の向上

また、L-カルニチンは脳機能との関係も指摘されています。中でも、カルニチンをアセチル化した「アセチルカルニチン」などは、神経伝達物質の一つ「アセチルコリン」を増やし、血液から脳への物質の通路である「血液脳関門」を通過することで、記憶力の向上やアルツハイマーの予防にも繋がります。その他、注意力や言語能力、空間認知能力などにも効果を発見されています。
 

カルニチンを摂取する方法は? 効率よく摂るならサプリメント

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そんなL-カルニチンですが、どのように摂取すれば良いのでしょうか。その方法は、食事とサプリメントの2つです。
 
もともとL-カルニチンは、体内で自ら作られる化学物質でもあります。しかし、それでも大部分は外部からの補給。日本人の場合、体内での生成は全体の4分の1ですが、食事やサプリメントからの摂取は全体の4分の3ほどを占めます。
 

1. 食事から摂取する

L-カルニチンの多く含まれる食材は、肉類です。そもそもL-カルニチンという名前の由来は、「肉」を意味するラテン語の「Carni(カルニ)」。なかでもずば抜けた含有量を誇るのは羊肉ですが、日常的に食べるなら次点の牛肉、またはたんぱく質の豊富な鶏肉を選ぶと良いでしょう。
 
食材別L-カルニチンの含有量(100gあたり)
 
マトン(羊肉):208.9mg
ラム(仔羊肉):80mg
牛肉:59.8mg
豚肉:35mg
鶏肉:4.55〜9.10mg
(ニュージーランド食肉研究所調べ)
 
その他、あさりやマグロ、牡蠣なども、L-カルニチンが多くて取り入れやすい食材ですね。逆に卵、豆類、野菜類には、大豆やアボカドといった例外を除いてほとんど含まれていません。
 

2. サプリメントで摂取する

とはいえ、厚生労働省の定めるL-カルニチンの摂取量の目安は1日あたり1000mg。これを食事だけで賄おうとすると、仮に羊肉を食べるとしても1日約500g。現実的ではありませんし、栄養バランスも崩れてしまいます。そのため、1錠あたり500mgを摂取できるサプリメントを併用しましょう。
 
ちなみに、L-カルニチンのサプリメントは安全性の高さも特徴。ネガティブな副作用も確認されていません。アメリカの研究によると、体重1kgあたり20mgのL-カルニチンを生涯にわたって摂取しても問題ないと言われています。
 

カルニチンを摂取するタイミングは? 食前、運動前の摂取を継続しよう

 
では、L-カルニチンの効果をより得るためには、どんなタイミングでサプリメントを飲むのがベストなのでしょうか。おすすめは、食事や運動の30〜40分前。L-カルニチンの効果が発揮されやすいタイミングだと言われています。
 
また、食前にL-カルニチンを摂取することで、食事から得る脂質をエネルギーに変換しやすくなります。このときエネルギーにできなかった脂質は脂肪として蓄積されるため、まずは食事から得る脂質を代謝させるのが重要です。
 
一方で、最も大切なのは継続すること。L-カルニチンのサプリメントは、短期間で効果を求めるタイプではなく、継続することで徐々に効果を発揮していくタイプです。中長期にわたって日常的にL-カルニチンを摂取することで、脂質をすっきり消費できる体質を作っていきましょう。
 

カルニチンダイエットの注意点は? 効果を妨げる天敵「D-カルニチン」

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さて、サプリメントを飲むだけのお手軽なカルニチンダイエットですが、以下のポイントにはご注意ください。
 

1. D-カルニチンに注意

L-カルニチンと間違えて、D-カルニチンを摂取しないように注意してください。D-カルニチンにはL-カルニチンの働きを妨げる作用があるため、摂取し続けてしまうとL-カルニチン不足の原因になるのです。脂質を消費できずに太りやすくなるのはもちろんのこと、心疾患や生活習慣病などのリスクも高まってしまいます。
 
食べ物には含まれていないD-カルニチンですが、気をつけたいのはサプリメント。特に海外メーカーのものだと、成分表には書かれてなくてもD-カルニチンが混入している可能性があります。メーカーの歴史や実績などを確認し、信頼の置ける企業なのか見極めましょう。
 

2. 持病をお持ちの人は、必ず医師への相談を

また、持病をお持ちの人や病院に通っている人は、必ず医師へのご相談を。医師は体の状態に合わせて、適切な薬を処方しています。むやみにサプリメントを摂取すると、体の状態を変化させるのみならず、治療の計画を妨げる危険性もあります。
 

カルニチンダイエットの鍵は「継続」

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脂質をエネルギーに変換し、ダイエットをサポートしてくれるL-カルニチン。繰り返しになりますが、効果を得るためのポイントは「継続」です。カルニチンを摂取できる食事やサプリメントを日常的に取り入れて、太りづらい“痩せ体質”を目指しましょう。


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